新年のご挨拶
新しい年を迎え明るく希望のあるスタートを切ったことと思います。また、日頃より当協会に対しまして、格段のご協力・ご支援を賜りまして心よりお礼申し上げます。
さて、昨年は大雪に始まり、宮崎県の新燃岳の噴火、3月11日の東日本大震災(地震・津波・火災・原発事故・風評被害)、その後も度重なる台風による風水害と、全国各地において多くの災害が発生した年であります。それらの災害うち東日本大震災では、県当局との災害協定に基づき県内土木事務所(工事事務所等を含む)からの依頼を受け、会員一同3月12日早朝より県内全域の被災現場に入り、復旧のための調査測量設計で活躍してまいりました。災害太りと言われた地域もあったとも聞いてはおりましたが、多くの地域で技術者不足が出て、他社に協力を求めようにも災害が広範囲でそれもできなかったと報告を受けました。また、多くの会員は県土木部だけではなく、県農地部や市町村、国の機関からも業務依頼がありきゅうきゅうしたとの話も入りました。このような技術者不足に陥ったのは、近年の公共事業費減による業務量の不足から技術者切りが行われ、新規採用もできなかった結果と思われます。
今回の大震災による国土のズレに伴う基準点・水準点の改測は、国土地理院において震災直後から実施され、昨年10月31日に改測結果が発表されましたが、県内各地においても改測の必要性が出て、国土地理院から多くの業務が発注されております。今後、測量成果の改測、再計算などの業務や、公共基準点・水準点の改測は、各自治体においても増えることと思いますが、それらは一過性のものでしかないと思います。今回の大震災においては、過去数百年になかったような地域破壊といった被害が起こり、地盤の移動や沈下など、復旧・復興が短期間に解決できない問題も出ており、我が業界の技術の提供や活躍が見込まれることもあると思います。
民主党政権になって“コンクリートから人へ”の提言がなされ公共事業費が大幅に削減されましたが、今回の大震災で高速道路が果たした役割の大きさを皆が知ることとなりました。今ほど公共事業の必要性が意識されたことはなかったと思います。必要なものは必要です。もう一度、防災の必要性を再考する必要があると思います。また、県民への安心・安全の第一歩が測量の成果であることを一般の方々にも受け入れられる業界のチャンスになると思います。
こうした状況を踏まえ、これまで蓄積した多くの知識の集大成を行い、今回の大震災を教訓とした、新しい測量設計業のあり方を考えてもよい時期にきたと私は考えております。まず一つは、復興に対する新しい技術・頭脳の提供、そして二つ目は、情報提供のための技術開発・推進と考えます。そのためには、GNNS、地上型3Dレーザー、RTK−GPS、トータルステーション(TS)などを活用した、地上型測量による高精度データの取得、防災のための新業務開発をし、いつでも新しい成果を提供できる体制を官民一体となって進めていきたいと思います。このようなデータを活用した設計技術の開発・拡大にも力を入れるとともに、橋梁や構造物の維持管理のためのデータ作りも我々に課されたものと思います。こうしたすべてのものに活用されるよう、アナログからデジタルによる成果の統一化、シームレス化を早急に県、市町村、関連団体による同一規格で高精度化を進める時期にきていると思います。
今年は、ロンドンオリンピックの開催があり、スポーツ選手による活躍によって明るくしてもらいたいと期待しておりますが、他方、米国・ロシアなどの大統領選、中国の国家主席の交代などの政治的不安、またギリシャをはじめEU諸国での財政破たんなど世界経済に対する不安も考えられます。
そのような世界情勢が不安視される中、日本においても財政不足による公共事業費は、ますます減額されることは目に見えており、今後も測量設計業は厳しさを増すことは必然的でありますが、先に述べましたように、ものづくりだけの業界ではなく、国民の安全・安心のための情報づくりをするため、新技術の開発をしながら行動することが必要だと思います。待つ業界から挑戦する業界へと、これまでと異次元の新たな測量設計業として、レベルアップを図っていく所存です。
最後に業界の一層の発展を願い、関係各位の皆様方のご理解・ご協力をお願い申し上げます。
平成24年 1月 4日
社団法人 茨城県測量設計業協会
会長 方波見 正
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